COLUMN(コラム)
2025.03.26
[解析事例]水中に置かれた圧力容器の応力解析

使用ソフトウェア
Simcenter FEMAP with Nastran
概要
本事例では、水中に置かれた圧力容器の表面圧縮応力を求めます。
線形静解析では、構造物が6方向(X,Y,Zの並進、X軸,Y軸,Z軸中心の回転)に自由に移動しないように拘束しますが、水中の構造物の場合は拘束ができません。どうしたら解析できるのでしょうか?
解決方法は、Simcenter Nastran の線形静解析の機能「慣性リリーフ」を使用する、です。
慣性リリーフは、水中にある構造物、無重力状態や空中にある構造物など、拘束できない構造物に力が作用する場合の準静的な力学バランスを計算する機能です。
Simcenter FEMAP には、Simcenter Nastran の慣性リリーフ を使用するためのGUIがありますので、設定が容易に行えます。
<設定方法>
[解析セットマネージャ] > [静解析]の解析セット > [バルクデータ]ダイアログの「INREL」を有効にする
解析内容
1. 荷重設定
表面に圧力を負荷します。

2. 解析実行
「INREL」オプションを有効にして、静解析を実行します。
3. 解析結果の確認
Simcenter FEMAP のセクションカットやダイナミックカッティングプレーン機能で、圧力容器の内側部分の解析結果も確認できます。


4. 設計変更
圧力容器にかかる表面圧縮応力を均一にするため、形状を変更して、再度解析します。
形状変更は、Simcenter FEMAP で行いました。
Simcenter FEMAP は、プリポストプロセッサーでありながら、ジオメトリエンジンにParasolidを採用。
豊富なジオメトリ形状の作成・編集機能を装備しています。

5. 設計変更後の解析結果
外表面の応力値のバラつき度合いが小さくなったことがわかります。

