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COLUMN(コラム)

[解析事例]スポーツシューズ設計適用事例

株式会社アシックス
 スポーツ工学研究所 機能研究部 様[事例]

■背景

シューズに必要な安定性を向上させるためには、シューズの踵部に挿入されているヒールカウンターの高剛性が必要となります。一方、シューズには軽量性も必要です。
この2つを両立するためのヒールカウンターの設計を行いました。

■解決策

Simcenter FEMAP with Nastran を用いて、実走行時の踵部の変形状態を再現しうる境界条件を導きだしました。さらに、この境界条件下におけるヒールカウンターのトポロジー最適化を行いました。

使用ソフトウェア

Simcenter FEMAP with Nastran

解析内容と結果

■シューズに求められる機能

動作分析などから得られた「シューズに必要な機能」の例を以下に示します。

  • 屈曲性(足に沿って曲がるか)
  • クッション性(衝撃を吸収してくれるか)
  • 安定性(足の関節に負担がかかり過ぎないか)
  • 通気性(足が蒸れないか)
  • 軽量性(余分な負担がかからないか)
  • グリップ性(滑りを制御できているか)
  • フィット性(履き心地を高めているか)
  • 耐久性(長期間の使用に耐えうるか)

シューズの開発では、これらの要求機能をバランスよく設計することが重要です。

■シューズソールの安定性設計

シューズの安定性を向上させるための設計の一つに、踵部のヒールカウンターの高剛性化があります。そこで今回は、ヒールカウンターの高剛性化を目的とした解析を行いました。

解析モデル

境界条件の妥当性検証

実走行中の踵部の面外方向変位 と Simcenter FEMAP with Nastran での解析結果の比較から、実走行時の変位状態を再現しうる境界条件の検討を行いました。
検討の結果、解析により実走行を再現することかできるようになりました。

設計例

■トポロジー最適化の適用

重量を制約し、ヒールカウンター部の剛性の最大化を目的関数とした最適化を実施しました。
結果を基に実際のヒールカウンターの形状を決定しました。

■完成した新開発のシューズ(写真はテストモデル)

今後の見通し

  • CAEを用いたシューズ設計手法の進化
  • 人体応答の直接的な算出
  • 材料の非線形性の考慮
  • メッシュ、フォーム材料等
  • Simcenter FEMAP with Nastran のユーザーの拡大

ご注意

本事例は株式会社アシックス スポーツ工学研究所 機能研究部 様で実施された解析事例です。
本内容を許可なく複製・配布することを禁じます。
解析に関するお問い合わせ・利用ソフトウェア「Simcener FEMAP with Nastran」に関しては、 こちらからお問い合わせください。

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