PRODUCT(製品紹介)
Actran
複雑な解析をより効率的に
Actranは、有限要素による高精度モデリングと独自の解析プロセス効率化で音響問題の改善を強力にサポートします。CFD空力や構造振動と柔軟に連成し、多様な境界条件・評価アプローチで複雑な音響現象をより簡便にとらえることができます。
音響解析のゴールドスタンダードとして長年ユーザ様に愛され続けているCAEツールです。

Actran 4つの特徴
① 音響に特化したプリポスト Actran VI
外部ツールで作成したCADデータ形状を読み込みメッシングします。通常、CADモデルは構造体形状ですから、音響領域はその外部や内部の空間をメッシングする必要があります。
Actran VIでは 構造表面に境界となる2D要素を作成し、それをベースに外部・内部空間における音響メッシュを効率的に作成します。音響場に影響しないような微細な構造形状を削除し、モデル規模を抑えた高品質のメッシュ作成が可能です。
また、放射強度や吸音効果・振動音に対する寄与度など 音響現象を様々な切り口で定量化・比較し評価するための機能を提供します。

Actran VI の主なポスト処理
- 音圧コンター/伝搬アニメーション , dB分布
- 周波数特性グラフ/音圧 , 音響パワー
- 指向性プロット
- 寄与度コンター/パネル寄与度 , 要素寄与度
- WaterFall
- 可聴化
② 多彩な境界モデリング
吸遮音材
インピーダンスやサーフェス係数で表すことが難しい吸遮音特性を周波数依存性のあるBiotモデルで表現します。綿やスポンジ状の多孔質材を等価の均一材料として扱うことで複雑な構造をモデリングすることなく模擬します。

拡散音場
透過損失の評価などでは、入射側の音圧レベルが一様であることが求められますが(拡散音場)、Actranでは乱数発生によるサンプリングで有効な境界条件を自動作成します。

無限境界(開放放射音)
無限要素やAPLMといった手法で音の伝搬を減衰させます。これらの境界の外側ではFEMモデルは不要で、距離減衰などに基づき、音波の無限遠方への放射が計算されます。
③ 流体変動、構造振動による音源作成
音響音源には、簡単に定量化できないものがあります。例えば、排気ダクトからのノイズやプロペラによる風切り音などです。これらは空気の圧力変動が音響音源となります。解析のワークフローでは、流体解析から得られた圧力結果を力などの荷重に変換し、等価音源を作成します。スピーカーなどの構造振動では、構造体の動的応答を用いて音源を作成します。
Actranでは状況に応じた様々なアプローチで効率的・強力に音響現象を評価します。

④ 解析プロセスの効率化
音響解析は一般的に大規模モデルになりがちです。Actranは、並列計算はもちろん 音響解析に特化した算出プロセスと評価方法で解析を効率的に行います 。
♪ SNGR : 流体音響解析の時間短縮
定常RANSの流体解析結果から流体音源を作成する機能です。非定常の流体解析結果を必要とする解析よりも流体解析に要する時間の大幅な短縮が可能となります。
♪ DGM : 大規模音響解析への対応
FEMが音響空間全体のインピーダンス・マトリックスを作成するのに対して、DGMでは局所的なインピーダンス・マトリックスを作成するのでメモリ使用量を低減させることが出来、FEMでは実行不可能な大規模音響解析にも対応可能です。
♪ SEA : 中・高周波における大規模な音響解析・構造解析への対応
FEMでは音波・振動波を忠実に再現する為に周波数が高い程要素サイズを細かくする必要が有りますので、中・高周波では大規模になってしまいます。それに対しSEAでは、解析メッシュを構成する要素群を適切にグループ分けして統計的手法に基づきグループ間のエネルギー・バランスを求めます。エネルギー・バランスの計算自体がシンプルな処理なので高速に実行出来、メッシュの要素サイズもFEM程シビアに細かくする必要が無いのでその分解析負荷も下がります。音圧・振動速度は、求まったエネルギー・バランスに基づきグループ毎に算出されます
♪ TM : 航空機エンジン等のターボマシンの解析負荷の低減
ジェットエンジン等のターボマシンの音響解析を効率的に実行する為のモジュールで、コンピュータの冷却システム等、航空以外のターボマシンについても、対応しています。ダクト内における音波挙動をモード波の重ね合わせとして扱うことで、より簡便に音響励振を評価します。
♪ Green解析
放射音強度の算定のみに使われる計算処理です。結果はマイクロフォン箇所に限られ、マップ表示などは得られませんが計算時間が大幅に短縮できます。