PRODUCT(製品紹介)
Simcenter 3D 線形・非線形
線形静解析
線形静解析が適用できるケースは、変形が弾性領域内であり、剛性値が変化しないと仮定できるときです。すなわち、変形によって強度が変わらず、除荷により元の形に戻るような場合で、金属材料の強度評価としてよく利用されます。
積層材や接触問題、非拘束モデルのための慣性リリーフ解析等に対応しています。
非線形解析
大変形を起し、剛性特性や荷重が大きく変わる飛び移り座屈解析、 超弾性材料や降伏限界を超えた応力発生による塑性領域の挙動、接触状態を考慮した解析です。 独自に進化したSimcenter-Nastranソルバーが非線形要件を強力にサポートします。
接触モデリング (ボルト締結、落下、干渉接触 etc..)
摩擦効果や大変形による接触面の変化を考慮した解析ができます。多様なオプションで接触挙動を制御できます。また、サブケース毎に接触条件を変更できます。 摩擦係数は、速度・温度・時間の関数として設定できます。 他のパーツに比べて剛性が大きなパーツがある場合、そのパーツを剛体として扱うことができ より効率的な解析ができます。メッシュ作成時にできてしまった接触面の不一致による隙間等は、[ギャップの削除][オフセットの設定][スムージングフェイス]で修正できます。 収束が困難な時にも様々なオプションが用意されています。ゴム材のような非常に柔らかい材料を含む解析では法線正規化が有効です。接線正規化を使えば、摩擦力が不連続性になるのを回避できます。また、収束性を改善するため、接触面の剛性と減衰を局所的に制御することができます。

出力可能な解析結果
- 接触圧力
- 接触力
- 法線距離
- 滑り量
Multistep Nonlinear
Multistep Nonlinearの特徴は、一連の解析の中でサブケース毎にソリューション種別や境界条件を変更できる点です。前のサブケースの解析後の状態を引き継いでサブケースをスタートさせる連続解析と解析条件を変更する不連続解析が可能です。 過渡解析では質量と慣性の効果をOFFにして定常状態になるのを早めたりすることができます。
サブケース毎に変更が可能なアイテム
- 解析タイプ
(線形・固有値・座屈・応答・過渡) - 予荷重
- 荷重
- 拘束
- 接触領域

座屈後挙動
座屈後挙動は静解析サブケースの特殊ケースです。通常の静解析において、ユーザー設定により荷重が増加しますが、いくつかのモデルは形状や荷重が不安定になります。そしてある荷重を超えると形状が保てず剛性が失われます。Arc-Length制御法は座屈後の不安定挙動や飛び移り座屈の解析をサポートします。これにより、臨界座屈荷重や座屈後の挙動を予測することができます。 また、初期摂動を生じさせるための不安定メッシュを指定できます。
キネマティック ジョイントモデリング
パーツ間をキネマティック接続し、モーション機構解析のような動的つり合いを評価できます(ヒンジ、スライダー、球など)。パーツ間の動きはドライバー設定によって制御もできます。
右の例では、衛星のソーラーパネル展開動作で、パネルはヒンジジョイントで締結されています。 振動が認められ、応力も評価できます。 また、いろんな姿勢におけるヒンジパネルの固有値解析を同時に行う等も可能です。
使用可能な材料
- 熱依存の線形弾性 (等方性・直交異方性・異方性)
- 弾塑性
硬化則曲線・フォンミーゼス降伏関数が使用できます。また、熱、ひずみ速度の関数として設定できます(完全弾塑性・等方硬化則・移動硬化則・等方&移動硬化則)。 - 超弾性
一般的なエラストマ特性を熱依存で定義できます。 - 粘弾性(Kelvin モデル/Prony級数)
- クリープ(もしくは低温流れ)
高温環境にさらされると、多くの材料でクリープひずみが発生します。 このひずみは荷重の変動無しに、時間経過とともに発生します。 Multistep Nonlinearでは、 Bailey-Nortonモデルを使用しています(等方性クリープ/温度依存) - 積層複合材 (古典積層理論・伸展層破壊・剥離)
- ユーザー定義
既存の一般材料モデルでは表現できないものについては、ユーザー定義のサブルーチンにリンクすることができます。このサブルーチンはFortran、C言語で作成されDDLにコンパイルされます。作成した材料についての状態変数が出力され、材料特有の応答を評価できます。