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[解析事例]水膜蒸発

  • テーマ:水膜蒸発
  • キーワード:水膜、蒸発、乾燥、顕熱・潜熱、熱流体連成
物体表面の水膜蒸発モデル図

背景

工業・医療・食品・衣料などにおいて製品の耐久性、機能性、保存性あるいは風味や食感などを確保するために乾燥が必要になります。乾燥は物体の水分を、分離・移動させる現象で、流れと拡散の複合的な現象に加えて蒸発を伴う蒸発潜熱による伝熱問題になります。
蒸発は蒸発模式図のように、水面に接する空気中の水蒸気濃度・分圧で、その温度における水の飽和蒸気圧と考え、次いで蒸発した水蒸気が空気中に濃度差により拡散する現象になります。

物体表面の水膜蒸発模式図

水分の分離・移動には種々の手法があり、例えば加熱する場合は直接あるいは間接加熱による方法があります。例えば水滴を考えると、水滴の表面に風が当り水分が水蒸気になって空気と混ざって移動する現象します。

水の蒸発速度

水の蒸発速度は以下の式で定義します。

ここで、
蒸発速度 (kg/m2・s): Va
シャーウッド数 (-): Sh
水蒸気の拡散係数(m2/s): D
水面付近の飽和水蒸気量 (kg/m3): α
空気中の水蒸気量 (kg/m3): C
水面の代表長さ(m): L

平均的あるいは局所的対流拡散による界面の物質移動を特徴づけるシャーウッド数 (-)は、

ここで、
レイノルズ数 (K):Re
シュミット数 (Pa):Sc


拡散係数D (m2/s) は以下のように雰囲気温度・分圧から算出しています。

ここで、
温度 (K):t
標準気圧 (Pa):p
雰囲気圧 (Pa):p0

概要

  • この事例では、密閉された食器乾燥機に水膜厚さ=50μmの食器皿があり、
    乾燥風速=0.2 m/sと2.0 m/sの2つの風速で水膜が蒸発する様子を計算しています
物体表面の水膜蒸発計算条件図
項 目
流体空気
温度20.0℃
粘性係数1.822×10-5 Pa*s
密度1.205 kg/m3
流速0.2 m/s および 2.0 m/s
相対湿度:   50 %
外部壁面断熱
物理時間1200s
計算条件
  • 食器皿表面の水膜厚さの分布および水膜厚さグラフにおいて、
    風速=0.2m/sの場合は1200秒でも水膜厚さ=40μm程度残っています。
    しかし風速=2.0m/sの場合には水膜厚さ=5から15μm程度に減少し、雰囲気温度 = 20 ℃でも風速を与えることによって効率よく水分が蒸発することが分かります。
風速 = 0.2 m/sの水膜厚さ及び雰囲気中の絶対湿度動画
風速 = 2.0 m/sの水膜厚さ及び雰囲気中の絶対湿度動画