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COLUMN(コラム)

[解析事例]熱応力解析 -温度の時刻歴変化を考慮-

使用ソフトウェア

Simcenter FEMAP with Nastran

概要

アーク溶接などでは、熱源の移動に伴い、母材に急激な温度上昇・温度低下が起こります。
この急激な温度変化は、母材の変形などを引き起こす要因になるため、対策が必要です。
そこで、Simcenter FEMAP with Nastranを用いて、母材の変形を予測する解析を実施しました。

実施する解析は、熱伝導解析と熱応力解析です。

○ 解析1 ・・・ 時間変化する温度分布の算定
      → Simcenter Nastranの非定常熱伝導解析(SOL159)

○ 解析2 ・・・ 時間変化する温度分布(=解析1の結果)を荷重とする熱応力解析
      → Simcenter Nastranのベーシック非線形静解析(SOL106)
        荷重シーケンス機能を活用

非定常熱伝導解析(SOL159)と ベーシック非線形静解析(SOL106)は、Simcenter FEMAP with Nastran(または、Simcenter Nastran Basic Bundle)で実行可能です。

荷重シーケンスとは?

荷重シーケンスとは、同一モデルへの時間的に変化する荷重を、作用する順序を考慮して載荷することです。Simcenter Nastranでは、荷重シーケンスをサブケースで設定します。
荷重シーケンス機能を用いると、前のサブケースの結果を初期状態として次のサブケースの解析が実行されます。時間順に荷重をかけることで、時間経過を考慮した解析が可能になります。

サブケースとは?

サブケースとは、1つの解析モデルに対して複数の異なる荷重条件や拘束条件などを設定できる機能です。サブケースは、線形静解析と非線形静解析でその動作が異なります。

 ● 線形静解析の場合・・・・・・ それぞれ独立した解析として動作
 ● 非線形静解析の場合・・・・・ 荷重シーケンスとして動作

あれ? 線形静解析でのサブケースには、何かメリットがあるのですか?

あります。それは、『解析所要時間が短縮できる』ことです。
線形静解析で最も時間・計算リソースを使うのが、計算用の剛性方程式の構築です。その後の解析自体は高速です。
線形静解析のサブケースでは、剛性方程式の構築が1回で済みます。

例えば、剛性方程式の構築に10分かかるモデルを、10パターンの境界条件で解析する場合で考えると…
 個別に10回 解析実行
  :剛性方程式の構築時間(10分×10回)+ 解析時間
 サブケースで実行
  :剛性方程式の構築時間(10分×1回)+ 解析時間
この例の場合、サブケースなら90分の解析時間短縮が可能です。

事例:温度の時刻歴変化を考慮した熱応力解析

本事例の解析モデルは、非定常熱伝導解析と熱応力解析とで同じモデルを使用します。

解析1) 非定常熱伝導解析(SOL159)の実行、結果の読み込み

FEMモデルを作成し、Simcenter Nastran 非定常熱伝導解析(SOL159)を実行します。
解析結果をSimcenter FEMAPに読み込みます。

解析2)荷重シーケンスを用いた非線形静解析(SOL106)の実行

Simcenter FEMAPを用いて、次の2つを定義します。

 ① 非線形熱応力解析用の境界条件[荷重条件、拘束条件]
   → 荷重条件は、非定常熱伝導解析の結果(=解析1の結果)を利用して定義します。
    ※本事例では、荷重条件の定義方法のみ記載します。

 ② 非線形熱応力解析(非線形静解析)用の解析セット
   → 荷重シーケンスを設定します。

その後、解析を実行して結果を読み込みます。

|手順① 非定常熱伝導解析の結果から荷重条件を定義する

解析結果から荷重を定義する機能 [モデル]-[荷重]-[アウトプットから]コマンドを使用します。
本事例では、次の設定で荷重を定義します。
 ・荷重定義先     : 全ノード
 ・アウトプットセット : 非定常熱伝導解析の全アウトプットセット
 ・アウトプットベクトル: 温度(アウトプットベクトル:31..Temparature)
 ・荷重タイプ     : 温度

選択したアウトプットセットの数と同じだけ、荷重セットが作成されます。

|手順② 荷重シーケンスの定義

荷重シーケンスは、解析セットのグローバルケースとサブケースを使用して定義します。

1)解析セットマネージャを起動し、「非線形静解析」の解析セットを定義します。
  ・「グローバルケースの境界条件と出力要求」の設定項目
    ・非線形解析オプション(※)
    ・境界条件 ・・・ 本事例では、「初期条件」に「Time 0」の荷重セットを設定
    ・出力要求(※)

※「非線形解析オプション」と「出力要求」の設定について

グローバルケースの設定がサブケースにも適用されます。
グローバルケースで設定しない場合は、サブケースごとに設定が必要です。両方に設定されている場合は、サブケースの設定が優先されます。

2)解析セットマネージャで[マルチセット]ボタンを押し、サブケースを設定します。

上図のように選択した場合、次の境界条件のサブケースが作成されます。
 拘束セットID..1 – 荷重セットID..4
 拘束セットID..1 – 荷重セットID..5
 拘束セットID..1 – 荷重セットID..6
        :
 拘束セットID..1 – 荷重セットID..39
 拘束セットID..1 – 荷重セットID..40

|手順③ 非線形熱応力解析の実行、結果の読み込み

解析実行後、FEMAPに結果を読み込みます。


本例のように、解析結果からの荷重作成機能と荷重シーケンスを用いることで、連続した温度の変化によって発生する歪みなどのシミュレーションが可能になります。


資料請求や製品デモのご要望、「こんな解析は可能?」といったご相談など、お気軽にお問い合わせください。

株式会社 計算力学研究センター(略称:RCCM)|構造・音響グループ


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