株式会社 計算力学研究センター コーポレートサイト

COLUMN(コラム)

ロケットフェアリング内の音響振動

強固な筐体に囲われていても、振動は伝搬しその中にある搭載物に及びます。電子機器類にとっては僅かな振動が問題になることがあります。ここでは、ロケット内の搭載物に生じる振動レベルをシミュレーションします。

ロケットの環境騒音

ロケット構造を振動させる加振源は何でしょうか?ジェット噴射による流体圧変動やその渦から発生する音、回転機械など様々です。このように、加振源が同定できない騒音源をランダム信号(PSD)で表現することがあります。 Actanでは拡散音場としてPSD入力を設定し、ランダム音源を表現します。方向・位相について十分ランダムな音圧PSD [Pa2/Hz] をロケット外表面に付加します。

音響加振から構造振動へ

衛星を模したモデル表面には構造振動の応答PSDが出力されます。今回は加速度PSDで評価しました [(m/sec 2 )2 /Hz]。衛星の側面では10G近いRMS値が認められ、音響音圧レベルにおいても、フィルエフェクトと思われる局部音圧上昇が衛星側面側で確認できます。応答レベルは、250[Hz]と1000[Hz]帯で大きくなる結果となりました。250[Hz]帯では入力レベル自体が大きいため応答も大きくなっていますが、1000[Hz]帯については衛星の固有振動モードが影響していると考えられます。

フェアリング内の局所音圧上昇

フェアリング内に衛星を収納した時の空間状態によって局所的に音圧レベルが上昇する現象です。局所音圧上昇はロケット構造に限った現象ではありません。構造振動と同様に、音響空間にも固有振動数があります。気柱共鳴はイメージしやすい一例です。空間(通常は空気)の形状や境界状態によって音圧レベルが大きくなりやすい場所や周波数が変ります。

拡散音場による音響評価

加振源が同定できないケースは多々あります。多くの加振源があり振動や音源が定常的に評価できない場合、非周期ランダム信号としてPSDを使用します。ランダム信号は発生確率を効率的に見積もることができ、振動試験の規格としても用いられています。 シミュレーションの音源としては、騒音測定などで得られたPSD値を使用しますが、モデルの伝達特性を評価するような場合では(透過損失など) 一定のPSD値を使用することもあります。

PSD入力に対する出力はPSDとなります(音圧レベルでは[Pa2/Hz])。周波数で積分して平方根をとると音圧単位の[Pa]となりますが、これは一般的には実効値と呼ばれ 統計上の1σに値します。実効値以内の音圧が68.3%に収まるという評価になります。


関連情報

前の記事へ

[解析事例]マンホール・路面下空洞を含む地盤の周波数応答解析