目次
本バージョンでは、主に次の改良・改善が行われました。
- 中立面 自動生成機能の強化
- 線要素,平面要素 混在モデルのリメッシュ機能の強化
- ポスト処理機能(アウトプットベクトルの計算機能,データ変換機能)の強化
- 解析セットマネージャ・解析モニタリング機能の強化
- Simcenter Nastran SOL401/SOL402向け インターフェースの強化
- Teamcenter, Xcelerator Shareとの連携機能 強化
ジオメトリ
中立面の自動生成機能を強化するための2つのオプションを追加しました。
- 穴を除去
:すべての穴を除去した中立面を生成する機能 - トリムされていない中立面を保持
:適切にトリムされない中立面を削除せずに保持する機能
例)[穴を除去]オプション
プリ処理
- 「メッシュポイントエディタ」で設定したメッシュポイントを認識するように改善しました。
- 2次要素の生成時、中間ノードをサーフェス上/カーブ上に投影するオプションを追加しました。
☑ 関連するサーフェス/カーブに向かい中間ノードを投影
3角形要素/4辺形要素に接続する線要素のリメッシュに対応しました。
- [グループ]-[操作]-[既存まで減少]コマンドの新設
モデルに存在しないIDがグループに含まれている場合、そのIDを除去する機能を追加しました。
エンティティの作成/削除に伴い、意図しないエンティティがグループに含まれることを防止します。
マテリアル選択時の「タイプ」のリストを改良し、一括選択の機能向上を図りました。
- [タイプ]のプルダウンリストに次の2項目を追加
- ・8..流体
- ・7..他のマテリアル
ELAR,ELAR2,ELARADD等のカードに対応しました。
要素の追加/除去に関する結果表示にも対応しました。
[ モデル]-[シミュレーションエンティティ]‐[要素追加|除去]コマンドを新設
「要素の追加|除去」のセットを作成するGUIを追加しました。
- 【新規追加|除去】ボタン
「要素の追加|除去」セット(ELAR/ELAR2)を定義します。
- 【セットを追加|除去】ボタン
「要素の追加|除去」セットの組み合わせ(ELARADD)を定義します。
※ELARADDは、複数の「要素の追加|除去」セットをモデルに適用する場合に定義が必要です。
コンタクトプロパティ内の【その他のオプション】ボタンより設定可能です。
- [コネクト]-[コンタクトプロパティ]コマンド
→ [マルチステップ構造(401)]タブ →【その他のオプション】ボタン
→ [Multistep Kinematic(402)]タブ →【その他のオプション】ボタン
[モデル]-[空力弾性]-[スプライン]コマンドに、2つのオプションを追加しました。
- すべてのボックス:すべての空力パネル/ボディ上のすべての空力ボックスを選択
- カスタム:選択した空力パネル/ボディで空力ボックスのサブセット選択が可能
ポスト処理
- [モデル]-[アウトプット]-[計算されたベクトル]コマンドを新設
ソルバーから出力されない可能性がある主要な解析結果を、FEMAPで計算する機能を追加しました。
計算するタイミングは次の2つから選択可能です。
- 結果読込み/作成時に自動計算
解析結果の読込み時に自動計算します。
計算する結果の設定は、解析実行前に行います。 - 既存のアウトプットセットから即時計算
解析結果の読込み後、指定の結果を計算します。
計算する結果の設定は、解析結果の読込み後に行います。
※参考:計算出力ライブラリに設定を保存すると、解析の都度、自動計算が可能です。
<手順>
- 「結果読込み/作成時に自動計算」の設定を計算出力ライブラリに保存します。
- [ファイル]-[初期設定]コマンド >[解析結果] タブを開きます。
- 「ベクトル(自動)計算(アウトプット計算ライブラリから)」に1.の設定を指定します。
「データ変換」のオプションを拡張しました。
各オプションで、コーナー値の使用有無の設定が可能です。
- 対象:「データ変換」が利用できるすべてのコマンド・機能
例)
- 「コンタオプションの選択」ダイアログ
(「ポスト処理データの選択」ダイアログ >【コンタオプション】ボタンより) - ポスト処理ツールボックス [コンタ] >[オプション]> 「データ変換」
- [モデル]-[アウトプット]-[プロセス]コマンド > [変換]タブ
- [モデル]-[荷重]-[アウトプットのマッピング]コマンド
- 「チャートデータ系列」ダイアログ
[ファイル]-[アタッチ-解析結果]コマンドで、HDF5形式に対応しました。
- Simcenter: HDF5形式(*.SDC5)
※現在、FEMAPのインターフェースを介しての
SDC5ファイル出力要求はできません。
- MSC Nastran: HDF5形式(*.h5)
FEMAPのインターフェースを介しての
HDF5形式ファイル出力要求に対応済み
ジオメトリ/ソルバー サポート
次のバージョンに対応します。
Femap インターフェース | サポートする最新バージョン |
---|---|
Parasolid | 34.1 |
ACIS | 2022.1 |
STEP | AP203 Edition1、Edition2 AP214 (Geometry Only) AP242(Minimal) |
IGES | 4.0~5.3まで |
JT | 11.0 |
Creo (旧 Pro/ENGINEER) | Creo 5 |
Solid Edge | 2022 |
SolidWorks | 2022 |
CATIA V5 (※有償オプション) | V5-6R2021 SP4 |
- 「点を読込み」オプション追加
ポイント(単体で存在するポイント)の読込みに対応しました
- ソリューション名・ソリューション番号を表示するようにしました。
「解析セット」ダイアログで、次を設定すると表示されます。- 解析プログラム
- 解析タイプ
例)解析プログラム:Simcenter Nastraの場合
- 「モデル情報」ウィンドウの「解析」:解析ステータス アイコンの表示(Nastran、ANSYS)
※他ソルバーは今後のリリースで対応予定
- 「モデル情報」ウィンドウの「解析」:解析実行/結果読込みに関する3つのコマンドを追加
- [実行時の解析キューを継続]コマンド
解析が失敗して一時停止した解析キューをリスタートします。
※本機能の利用には次のオプション(新設)を有効にする必要があります。
[ファイル]-[初期設定]コマンド
>[インターフェース]タブ内 「破壊後に解析キューを一時停止」 - [結果をロード]コマンド
選択した解析セットの結果をモデルにロードします。 - [解析モニターペインを表示]コマンド
「解析モニタ」ウィンドウを表示し、アクティブな解析セットの情報を表示します。
※[ツール]-[他ウィンドウ]-[解析モニターペイン]からも起動可能
応答スペクトルの印加機能の強化
- 解析セット(固有値応答)
- [応答スペクトルの印加]ダイアログ
- 「組み合わせ方法」に4オプション追加
- CQC
- DSUM
- GRP
- ROSE
- 「組み合わせ方法」に4オプション追加
SOL401向け:初期値変更, オプション追加
- 解析セット(SOL401)
- [マルチステップ制御オプション]ダイアログ
平衡最小係数(EQMFMIN) | 初期値変更 0.2→0.476 |
平衡最大係数(EQMFMAX) | 初期値変更 5.0→1.9 |
- [解析および収束オプション]ダイアログ
診断レベル(MSGLVL) | 選択オプション追加 |
最後の収束ステップで常に結果出力(LSTCONV) | 追加 |
- [コンタクト/ボルト初期荷重コントロールオプション]ダイアログ
診断レベル(MSGLVL) | 選択オプション追加 |
最後の収束ステップで常に結果出力(LSTCONV) | 追加 |
- [クリープ/塑性オプション]ダイアログ
調整積分係数(CRLIMRL) | 選択オプション追加 |
最大等価塑性ひずみ(PLLIM) | 追加 |
最大塑性ひずみ乗数係数(PLLIMF) | 追加 |
- [境界条件]ダイアログ
要素追加|除去 | 追加 |
SOL402向け:初期値変更, オプション追加
- 解析セット(SOL402)
- [マルチステップ制御オプション]ダイアログ
最大減少比(EQMFMIN) | 初期値変更 2.1→0.476 |
グリッドポイント結果のストレージサイクル(IA16) | 追加 |
XYプロット結果のストレージサイクル(IA19) | 追加 |
ダイナミクスでInertialを有効化(INERTIA) | 選択オプション追加 |
ランプ荷重係数補間(RFVAR) | 追加 |
自由熱膨張係数(ITHE) | 追加 |
加振ストレージの法則(LL2) | 追加 |
最大等価塑性ひずみ(PLLIM) | 追加 |
クリープひずみ増分(CRICOFF) | 追加 |
調整積分誤差(CRLIMR) | 追加 |
- [解析および収束オプション]ダイアログ
最大反復(ITMAL) | 初期値変更 10→20 |
相対力公差(PRCQ) | 初期値変更 1.0→0.1 |
一般化スキームパラメータ(TETA) | 初期値変更 0.80→0.55 |
剛性更新(KUPDATE) | 追加 |
最大時間ステップ縮退(MAXBIS) | 追加 |
修正一般化アルファパラメータ(RHOINF) | 追加 |
接線接触剛性(KMODTN) | 追加 |
診断アウトププット(MSGLVLC) | 追加 |
HDF5フォーマット(NH5RDB)での出力要求に対応しました
- 解析セット(MSC Nastran)
- [NASTRAN出力要求]ダイアログ
「HDF5を生成」チェックボックス追加(※)
次の機能更新、サポートを行いました。
- SHELL TO SOLID CONNECTIONをサポート
- 13ノードピラミッド要素をサポート
- 補間要素をサポート(NASTRANのRBE3のような要素)
- ABAQUSインプットファイルのSTANDARDセクション読み込み時の問題を修正
- STRESS要求を使用して作成されたスプリング要素/DOFスプリング要素の結果の読み込みに対応
次の機能更新、サポートを行いました。
- ANSYSインプットファイルから、ビーム要素の断面形状 読み込みに対応(プロパティに保存)
- ANSYS APDLスタイルの読み込みに対応
パフォーマンスの改善
- 「ユニファイドアーキテクチャ」オプション
グラフィックスに、Unified Graphics Architecture(UGA)を使用する新オプションです。
- 設定箇所
[ファイル]-[初期設定]コマンド
> [グラフィックス]タブ
> 「ユニファイドアーキテクチャ」
※デフォルト設定:オン
- 本バージョンでサポートするエンティティ
- ジオメトリ(ポイント, カーブ, 結合カーブ, サーフェス, バウンダリサーフェス, ソリッド, ボリューム)
- ジオメトリベースの荷重/拘束
- 座標系
※上記以外のエンティティには、従来のグラフィックスが適用されます。
※今後数回に分けて対象を拡張する予定です。
将来的には、FEMAPのグラフィックスをユニファイドアーキテクチャに転換する予定です。
このため、今後数回に分けてユニファイドアーキテクチャを拡張していきます。
≪これまでの拡張内容≫
・本バージョン :ジオメトリを実装
・以前のバージョン:ピッキングマーカーシンボルの描画
ユニファイドアーキテクチャの完全実装後は、現在の2つのグラフィックスパイプライン
(Performance graphics,オリジナルのOpenGL)は順次、削除される予定です。
APIデータテーブルオブジェクトでの列の追加・更新の処理速度を改善しました。
例)800,000行以上のデータを持つフリーボディの追加:19分→34秒に向上(330%の改善)
次の条件に合致する時のリメッシュ処理を改善しました。
〈条件〉
- モデルに剛体要素が含まれている
- サイズ伝播がオフになっている
※以前のバージョンでは、隣接エッジが使用されていない場合でも、検索を行っていました。隣接エッジが使用されていない場合、検索しないようにしました。
Teamcenter、Xcelerator Shareとの連携
- [PDM]-[Teamcenter]コマンドの追加
FEMAPからTeamcenterにアクセスする機能を追加しました。
Siemens社の製品ライフサイクル管理(PLM:Product Lifecycle Management)システムです。
製品の企画~開発・設計~製造~保守~廃止に至るまでの「ものづくり」に関する全てのプロセスのデータを構造化して一元管理します。
解析情報の管理では、PLM環境内でシミュレーションデータとプロセスを管理可能で、製品の性能と品質を評価しながら、製品開発の効率化を図ることができます。
※本機能の利用には、別途、Teamcenterのライセンスが必要です。
- [PDM]-[Xcelerator Share]コマンド、[参照]コマンドの追加
以前のバージョンでは、次のコマンド名でした。
- [ファイル]-[共有]コマンド(本バージョン:[PDM]-[Xcelerator Share]コマンド)
- [ファイル]-[参照]コマンド(本バージョン:[PDM]-[参照]コマンド)
これらのコマンドは、Xcelerator Shareのご利用が可能な場合のみ表示されていましたが、本バージョンでは、常時表示に変更されました。
Siemens社の「XaaS(Xcelerator as a Service)サブスクリプション 」(*)に付属するクラウドコンポーネントです。
チーム内でのコラボレーションを支援します。
*XaaSサブスクリプションは、Siemens社のSaaS(Software as a Service)製品です。