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Simcenter-Nastranは従来のNX-Nstranをベースに、Samcef(※)の高度な構造非線形解析技術を加えたソリューションです(陰解法非線形)。 NX-Nastranの汎用性と、 Samcefのキネマティックテクノロジーの強みを併せ持ち、非線形性の強い超弾性体や大ひずみ効果等を強力にサポートします。 (※) ドイツのリエージュ大学から始まり(1965年)、欧州航空宇宙企業で実績のあるソフトウェアです。
- 座屈(飛び移り/座屈後挙動)
- 固有値
周期モード
ハーモニックモード
複素モード - 過渡応答非線形
- 弾塑性
- 超弾性材料
- ひずみ速度依存性材料
- ガスケット材料
- クリープ(高温・塑性)
- 複合材の損傷・剥離
- 大変形(幾何非線形)
- 大ひずみ効果
- 接触・固着
- ボルト予荷重(変位・ひずみ・力)
- 要素の消滅・生成
- リスタート機能
- 周期対称モデル
- キネマティックジョイント
摩擦効果や大変形による接触面の変化を考慮した解析ができます。多様なオプションで接触挙動を制御できます。また、サブケース毎に接触条件を変更できます。 摩擦係数は、速度・温度・時間の関数として設定できます。 他のパーツに比べて剛性が大きなパーツがある場合、そのパーツを剛体として扱うことができ より効率的な解析ができます。 メッシュ作成時にできてしまった接触面の不一致による隙間等は、[ギャップの削除][オフセットの設定][スムージングフェイス]で修正できます。 収束が困難な時にも様々なオプションが用意されています。ゴム材のような非常に柔らかい材料を含む解析では法線正規化が有効です。接線正規化を使えば、摩擦力が不連続性になるのを回避できます。また、収束性を改善するため、接触面の剛性と減衰を局所的に制御することができます。
出力可能な解析結果
- 接触圧力
- 接触力
- 法線距離
- 滑り量
Multistep Nonlinearの特徴は、一連の解析の中でサブケース毎にソリューション種別や境界条件を変更できる点です。前のサブケースの解析後の状態を引き継いでサブケースをスタートさせる連続解析と解析条件を変更する不連続解析が可能です。 過渡解析では質量と慣性の効果をOFFにして定常状態になるのを早めたりすることができます。
サブケース毎に変更が可能なアイテム
- 解析種別
- 線形静解析
- 固有値解析
- 座屈解析
- 動解析
- 過渡解析
- 予荷重
- 荷重
- 拘束
- 接触領域
座屈後挙動は静解析サブケースの特殊ケースです。通常の静解析において、ユーザー設定により荷重が増加しますが、いくつかのモデルは形状や荷重が不安定になります。そしてある荷重を超えると形状が保てず剛性が失われます。Arc-Length制御法は座屈後の不安定挙動や飛び移り座屈の解析をサポートします。これにより、臨界座屈荷重や座屈後の挙動を予測することができます。 また、初期摂動を生じさせるための不安定メッシュを指定できます。
パーツ間をキネマティック接続できます(ヒンジ、スライダー、球)。パーツ間の動きはドライバー設定によって制御されます。 上の例は、衛星のソーラーパネル展開動作で、パネルはヒンジジョイントで締結されています。 振動が認められ、応力も評価できます。 また、下の例は、いろんな姿勢におけるヒンジパネルの振動モードを評価していますが、すべて1度の解析で行うことができます。
熱依存による設定ができます。
硬化則曲線・フォンミーゼス降伏関数が使用できます。また、熱、ひずみ速度の関数として設定できます。
以下のモデルが可能です。
- 完全団弾塑性
- 等方硬化則
- 移動硬化則
- 等方&移動硬化則
一般的なエラストマ特性を熱依存で定義できます
- 非線形弾性ひっぱり挙動 (大変形/幾何非線形)
- 大弾性ひずみ(~600%)
- 非圧縮性
- 粘弾性効果
- 一般 Mooney-Rivlin モデル
- Ogdenモデル(Mullins効果 )
- Hyperfoamモデル
高温環境にさらされると、多くの材料でクリープひずみが発生します。 このひずみは荷重の変動無しに、時間経過とともに発生します。 Multistep Nonlinearでは、 Bailey-Nortonモデルを使用しています(等方性クリープ/温度依存)
層内破壊:
降伏応力を超えると、個々の層が弱くなり剛性が失われます。 Multistep Nonlinearでは、各層の剛性を追跡し解析ステップ毎に更新します 一方向・双方向層に対応
- 繊維破断
- マトリクスクラック
- 繊維破断+マトリクスクラック
層間剥離:
接着を表す要素を用いて、層間の剛性低下を評価します。どの箇所で接着が失われ、層が剥離するのか解析します。
既存の一般材料モデルでは表現できないものについては、ユーザー定義のサブルーチンにリンクすることができます。このサブルーチンはFortran、C言語で作成されDDLにコンパイルされます。作成した材料についての状態変数が出力され、材料特有の応答を評価できます。