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[解析事例]湿分吸着

  • テーマ:湿分吸着
  • キーワード:湿度、吸着脱着、コロナウィルス、除菌抗菌、顕熱・潜熱、熱流体連成、劣化
室内の湿分吸着モデル図

今回の解析事例の背景

吸湿は、空気中の水分を吸収する性質で近年では「ムレにくい服」や「カラットした壁」など材料が取り込んだ湿分を素早く蒸発や発熱させる機能的な材料による生活環境の改善や近年では室内などのコロナウィルス対策として湿度を一定に保つ、あるいは局所的に湿度が高い場所を把握しカビ対策を行うなどがあげられます。またプラスチック製の電子パッケージなどへの湿分の吸着による材料劣化なども湿分の吸着状態を把握し対策することが重要です。ここでは湿分の吸着は毛細管効果によって生じるものではなく、材料の分子構造によるFickの法則の拡散によって湿分の吸着が生じるものとしています。

Fickの法則による拡散

拡散のプロセスがFickの法則に従うとすると以下の拡散方程式で定義します。

              ここで、

    材料中の水の濃度の勾配: ∇C

この拡散係数D (m2/s) が等方性として以下のアレニウス式で定義します。

   ここで、

            拡散係数 (m2/s):D

           活性化エネルギー (J/mol):ED

           気体定数 (J/molK):R

           温度 (K):T

材料が湿分を含む大気におかれた場合、材料中の水蒸気の平衡濃度はHenryの法則で表すことができます。

ここで、

           水蒸気密度 (kg/m3):ρout

           体積あたりの水分質量比 ( – ):

           温度 (K):T

           体積あたりの濃度比は、

ここで、

            経験定数 ( – ):Y0

           活性化エネルギー (J/mol):Eγ

概要

  • この事例では、密閉された室内に加湿器から相対湿度=80%で空気を噴出させています。床・壁・ベッドには、吸湿効果を持つ材料を使用しており室内に拡散した水蒸気が吸湿される様子を計算しています。
項 目
流体空気
温度20.0℃
粘性係数1.822×10-5 Pa*s
密度1.205 kg/m3
流出流速: 0.58 m/s
相対湿度: 80 %
斜め上方向に30度の角度で流出
外部壁面断熱
物理時間3600 s
計算条件
項 目
初期水分量空気
吸湿特性拡散係数Dとしたアレニウス式により以下の値を適用
拡散係数 D0 = 5.5*10-7 (m2/s)
 活性化エネルギー ED = 36225.0094 (J/mol)
蒸気中での平衡状態の定義水蒸気の平衡濃度を単位体積あたりの
水分質量比として図のようにテーブル形式で定義
吸湿条件
  • 室内相対湿度の等値面動画では、加湿器から斜め上方に噴き出した相対湿度=80%の気流が天井に到達し天井全面に広がり、その後は広がった状態のまま床の方に降りて行くことが分かります。
    また室内の相対湿度は、時間の経過と共に上昇し3600秒あたりでは部屋全体の相対湿度=65%程度になっています。
室内の相対湿度等値面動画
  • 壁面・床・ベッドの水蒸気割合の動画では、加湿器に向き合う方向の壁面・ベッド側面から湿分を吸着し、その後は壁・ベッド・床など全体に吸湿が広がって行くことが分かります。
壁面・床・ベッドの水蒸気割合動画