目次
本バージョンでは、主にメッシュ生成機能の強化、Nastran向けスプリング/ダンパー要素のサポート強化が行われました。
「ボディメッシャー・テクノロジー」の搭載
「メッシュの品質」を優先にメッシュ生成する機能『ボディメッシャー・テクノロジー』を搭載しました。
汎用熱流体解析ソフト[STAR-CCM+]のリメッシュ・テクノロジー(質の良い三角形メッシュへのリメッシュ機能)をベースに、四角形メッシュ生成についての改良を加え、FEMAPに実装したもの。Parasolidボディ(ソリッド/ サーフェス/ 一般化ボディのジオメトリモデル、3Dプリンタ用データ/STLデータなどのファセットモデル)からの高品質なメッシュ生成に役立ちます。
対象コマンド・ツール
- [メッシュ]-[ボディ] … ジオメトリモデルを選択してメッシュ生成
- [メッシュ]-[メッシュ上のメッシュ] … STLデータなどのファセットモデルを選択してメッシュ生成
- [メッシュ]-[ジオメトリ]-[サーフェス上]
※「メッシャー」セクションで、 「ボディ/メッシュ上」 選択時のみ[サーフェスメッシュ]
メッシャーによる差異
項目 | ボディメッシャー | 従来のメッシャー |
---|---|---|
ジオメトリモデルの クリーンアップ (スライバ等の問題点除去) | 不要 | 必要 |
メッシュサイズ設定 | 選択したボディに、 メッシュの品質目標とともに 設定 | 個々のジオメトリ上に設定 ※高度なカスタマイズも可能 |
メッシュ生成の特徴 | 「指定されたメッシュ品質」を目標にする ※任意の場所にノードを生成することができない | 「ノード位置」を基準にする ※ジオメトリモデルの問題によって、メッシュ品質が低下する場合もある |
ジオメトリとの関連付け | メッシュ生成に利用した ジオメトリ(ソリッドのみ)に 関連付けられる ※ただし、荷重、拘束、 リージョンが定義されている サーフェス、カーブ、ポイントには関連付けられる | メッシュ生成に利用した ジオメトリ(ソリッド・サーフェス・カーブ・ポイント)に 完全に関連付けられる |
メッシュコントロールエクスプローラの機能強化
「メッシュコントロール エクスプローラ」ウィンドウ(FEMAP v2021.1新機能)に、サーフェス同士の交差位置で分割する機能『インプリント』を追加しました。
追加機能
- 交差するサーフェスの検索機能
- 交差部へのインプリント処理機能
「メッシングツールボックス 」の機能強化
- [ジオメトリ編集][ジオメトリ編集]の「ポイント-エッジ間スプリット」、「投影カーブ」のオプションに、『投影モード』を追加しました
これにより、任意のベクトル方向への投影が可能になります - [ メッシュサイズ]の操作欄に、『サイズを設定』を追加しました。
これにより、「カーブ上のエレメントサイズ」の指定が可能になります。
尚、上記追加に伴い、既存操作の名称変更『指定』⇒『番号の設定』を行いました。
機能(カーブ上のエレメント数を指定)の変更はありません。
Nastran向けスプリング/ダンパー要素への対応強化
非線形解析用のスプリング/ダンパー要素「CBUSH1D」・「PBUSH1D」に対応しました。
非線形解析や周波数応答解析で、今回追加されたシミュレーションエンティティ「設計方程式」も利用でき、非線形バネ/ダンパーの設定が簡便になります。
シミュレーションエンティティ「設計方程式」の追加
Nastran向けスプリング/ダンパー要素「CBUSH1D」・「PBUSH1D」定義に使用可能です。
追加されたコマンド
- [モデル]-[シミュレーションエンティティ]-[設定方程式]
- [削除]-[モデル]-[設定方程式]
- [モデル情報]ウィンドウ > [シミュレーションエンティティ] > [設定方程式]
エレメント選択用のメソッド「ソリッド上のすべてのノード」追加
エレメント選択時に利用可能なメソッド「ソリッド上のすべてのノード」を追加しました。選択したソリッドに関連付けられているノードを参照するエレメントが選択できます。
JTファイルの出力オプションを強化
JTファイルの出力オプションを強化し、「複数結果アウトプット」機能を追加しました。
さらに、既存機能「標準アウトプット」を改良し、荷重/拘束を選択できるようにしました。
ジオメトリインタフェース
次のバージョンに対応します。
Femap インターフェース | サポートする最新バージョン |
---|---|
Parasolid | 33.1 |
NX | version1953 |
Solid Edge | 2021 |
Creo(旧Pro/ENGINEER) | Creo7 |
CATIA V5(※有償オプション) | V5 R8 – V5-6 R2019 SP4 |
ACIS | 2020 1.0 1.0.1 |
JT | 10.6 |
解析プログラムインタフェースの改良
Nastran(Simcenter Nastran, MSC/MDNastran(Simcenter Nastran, MSC/MD Nastran)
- 周波数/調和応答解析
- 過渡/時刻歴応答解析
- 非線形過渡応答解析
- CBUSH1D,PBUSH1D
- DEQATN
Simcenter Nastran
- ギャップ要素を線形コンタクトとする時のコンタクトプロパティ参照に対応
(解析セットマネージャ>バルクデータ)
- MPLASカードの読込み/書出しに対応
MSC・Nastran
LS-DYNA
- ソリッド要素:EQ18, EQ-18
- プレート要素:EQ-16
今回ご紹介した内容をSiemens社の動画でご確認いただけます
(音声は英語ですが、日本語字幕がついています)
アクセスはコチラ!
FEMAP 2021.2 What’s New オーバービュー